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4月18日 答弁書:内閣衆質193第219号 長妻昭:教育勅語


第193回国会 219 教育勅語を道徳科の授業で扱うことに関する質問主意書

4.18内閣衆質一九三第二一九号 

質問主意書:平成二十九年四月十日提出質問第二一九号 長妻昭

答弁書:平成二十九年四月十八日受領答弁第二一九号



教育勅語を道徳科の授業で扱うことに関する質問主意書

 一八九〇年に発布された教育勅語は、「根本理念が主権在君並びに神話的国体観に基いている事実は、明かに基本的人権を損い、且つ国際信義に対して疑点を残すもととなる」として、一九四八年に衆議院において排除の決議がなされた。
 安倍内閣は、教育勅語について、根本理念が主権在君並びに神話的国体観に基づいているとお考えか。また、その事実は明らかに基本的人権を損ない、且つ国際信義に対して疑点を残す、とお考えか。お尋ねする。
 本年四月四日午後の会見で、菅官房長官は、記者の「教育勅語を道徳の教材として用いる、そういうケースは想定されないか」との質問に、「教育勅語を我が 国の教育の唯一の根本とするような指導を行うことは不適切である。一方で、憲法の基本理念である基本的人権の尊重や国民主権、教育基本法に反しないような 適切な配慮のもと、取り扱うことまであえて否定するものでない」と答え、教育勅語の道徳の教材としての使用を一定の前提の下に是認した。
 また、本年四月七日の衆議院内閣委員会で、義家文部科学副大臣は、幼稚園など教育現場で子どもたちに教育勅語を朗読させることについて「教育基本法に反しない限りは問題のない行為である」と答弁している。
 現在、歴史の教科書には、教育勅語全文が掲載されているものもあり、歴史の教訓として教育勅語を教材として使用することは問題ないと考える。しかし、衆 参両院で排除・失効決議がなされている教育勅語を道徳教育で使ったり、教育の現場で子どもたちに朗読させたりすることを政府が是認することには問題がある と考える。内閣の見解をお尋ねする。
 また、来年四月からは小学校で、再来年四月からは中学校で始まる道徳科の授業で、教育勅語を教材として使うことも是認するのか、内閣の見解を問う。
 また、道徳科の授業の中で、教育勅語を一つの是認されるべき価値として教えることは内閣として否定するものではないのか、お尋ねする。
 安倍内閣の閣僚からは、教育勅語には「夫婦相和シ」との正しい価値観もある、との趣旨の発言がある。しかし、一八九一年出版の教育勅語の事実上の公式教 科書(解説書)である勅語衍義(えんぎ)には、「夫婦相和シ」について「妻ハ元ト智識才量多クハ夫ニ及バザルモノナレバ、夫ガ無理非道ヲ言ハザル限リハ、 成ルベク之レニ服従シテ」とあり、男尊女卑の発想の上での「夫婦相和シ」である。内閣は、教育勅語における、このような意味での「夫婦相和シ」は現代でも 正しい価値であるとお考えか。内閣の見解を問う。
 右質問する。


衆議院議員長妻昭君提出教育勅語を道徳科の授業で扱うことに関する質問に対する答弁書

 教育に関する勅語については、御指摘の昭和二十三年六月十九日の衆議院本会議の「教育勅語等排除に関する決議」において、お尋ねにあるとおり「教育勅語 (中略)の根本理念が主権在君並びに神話的国体観に基いている事実は、明かに基本的人権を損い、且つ国際信義に対して疑点を残すもととなる」とされた上 で、「よつて憲法第九十八条の本旨に従い、ここに衆議院は院議を以て、これらの詔勅を排除し、その指導原理的性格を認めないことを宣言する」と決議され、 また、御指摘の同日の参議院本会議の「教育勅語等の失効確認に関する決議」において、「われらは、さきに日本国憲法の人類普遍の原理に則り、教育基本法を 制定して、わが国家及びわが民族を中心とする教育の誤りを徹底的に払拭し、真理と平和とを希求する人間を育成する民主主義的教育理念をおごそかに宣明し た。その結果として、教育勅語は・・・既に廃止せられその効力を失つている」と決議されたと承知しているところ、政府としては、森戸文部大臣(当時)が、 同日の衆議院本会議等において、「敗戦後の日本は、国民教育の指導理念として民主主義と平和主義とを高く掲げましたが、同時に、これと矛盾せる教育勅 語・・・に対しましては、教育上の指導原理たる性格を否定してきたのであります。このことは、新憲法の制定、それに基く教育基本法並びに学校教育法の制定 によつて、法制上明確にされました」等と答弁しているとおりであると考えている。
 その上で、お尋ねの「道徳科の授業の中で、教育勅語を一つの是認されるべき価値として教えること」の意味するところが必ずしも明らかでないが、政府とし ては、特別の教科である道徳等の教科等の授業を含む教育の場において、憲法や教育基本法(平成十八年法律第百二十号)等に反する形で教育に関する勅語を用 いることは許されないと考えているところであるが、教育に関する勅語を教育において用いることが憲法や教育基本法等に違反するか否かについては、まずは、 学校の設置者や所轄庁において、教育を受ける者の心身の発達等の個別具体的な状況に即して、国民主権等の憲法の基本理念や教育基本法の定める教育の目的等 に反しないような適切な配慮がなされているか等の様々な事情を総合的に考慮して判断されるべきものである。また、教育において、憲法や教育基本法等に反す る形で教育に関する勅語が用いられた場合は、まずは、学校の設置者や所轄庁において適切に対応すべきである。
 「このような意味での「夫婦相和シ」は現代でも正しい価値であるとお考えか」とのお尋ねについては、その趣旨が必ずしも明らかでないため、お答えするこ とは困難であるが、男女の平等の理念に反するようなことがあってはならず、夫婦は同等の権利を有していることは言うまでもない。



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