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2016年9月16日 国家戦略特区WG 農水省、文科省「獣医学部の新設」


        国家戦略特区ワーキンググループ ヒアリング(議事要旨)



(開催要領)
1 日時 平成28年9月16日(金)14:12~14:34
2 場所 永田町合同庁舎7階特別会議室
3 出席
<WG委員>
 座長 八田 達夫 アジア成長研究所所長
          大阪大学社会経済研究所招聘教授
 委員 原  英史 株式会社政策工房代表取締役社長
 委員 本間 正義 東京大学大学院農学生命科学研究科教授
 委員 八代 尚宏 昭和女子大学グローバルビジネス学部特命教授
<関係省庁>
    浅野 敦行 文部科学省高等教育局専門教育課長
    辻  直人 文部科学省高等教育局専門教育課長補佐
    磯貝  保 農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課長
    大石 明子 農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課長補佐
<事務局>
    藤原  豊 内閣府地方創生推進事務局審議官

(議事次第)
1開会
2議事獣医学部の新設
3閉会





○藤原審議官
 WGをスタートさせていただきます。
 文科省、農水省にお越しいただきまして、獣医学部の新設の問題ということでございます。学部、大学を問わず、これは去年の成長戦略の中でこの問題につきましては政府決定をしておりまして、当時、本年度中に検討ということなので少し時期をもう越えておるのですが、関係省庁とともに政府として宿題を負った形になっているというのがポイントでございます。
 また、先週金曜日(*9月9日)に国家戦略特区の諮問会議が行われまして、まさに八田議員から民間議員ペーパーを御説明いただきましたが、その中で重点的に議論していく項目の1つとしてこの課題が挙がり、総理からもそういった提案課題について検討を深めようというお話もいただいておりますので、少しそういった意味でこの議論についても深めていく必要があるということで今日はお越しいただいた次第でございます。
 それでは、八田座長、よろしくお願いいたします。

○八田座長
 どうもお忙しいところをお越しくださいまして、ありがとうございます。
 それでは、早速、御説明をお願いいたします。


○浅野課長(*浅野敦行 文部科学省高等教育局専門教育課長)
 それでは、文部科学省のほうから説明させていただきます。
 お手元に配付させていただいております資料を御覧いただければと思います。

配布資料1(文科省)
20160916国家戦略特区ワーキンググループ 農水省、文科省「獣医学部の新設 配布資料(文科省)」 (1)

こちらのWGで前回、この問題について取り上げられたのが平成27年(*2015年)6月でございます。それを受けて、この2015年の日本再興戦略の中で、獣医師養成系大学・学部の新設に関する検討という中で、現在の提案主体による既存の獣医師養成でない構想が具体化しというのが1つ条件として、それから、ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要が明らかになりというのが2つ目の条件。かつ、既存の大学・学部では対応が困難な場合にはということで、それが3つ目の条件として、留意事項として、近年の獣医師の需要の動向も考慮しつつ、全国的見地から本年度内に検討を行うとなっております。

配布資料2(文科省)
20160916国家戦略特区ワーキンググループ 農水省、文科省「獣医学部の新設 配布資料(文科省)」 (2)

 資料2でございますが、これはもう既に提出をさせていただいております、もう1年半以上前になりますので、既存の学部の配置でございまして、特に四国地域については今のところ獣医学部は置かれていないという状況がございます。

配布資料3(文科省)
20160916国家戦略特区ワーキンググループ 農水省、文科省「獣医学部の新設 配布資料(文科省)」 (3)

 資料3につきましても御説明させていただいておりますが、この設置等に係る認可の基準という文部科学省の告示の第1条第4号の中で、この獣医師の養成に係る大学等の設置もしくは主要定員増は除外されているということでございます。

配布資料4(文科省)
20160916国家戦略特区ワーキンググループ 農水省、文科省「獣医学部の新設 配布資料(文科省)」 (4)

 資料4でございますが、平成26年6月に文部科学省に設置された有識者会議、獣医学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議のまとめの中で入学定員のあり方についてもまとめられておりまして、定員管理の仕組みは継続すべきと言いながらも、定員管理の仕組みを維持する一方で、具体的な定員数については診療獣医師だけでなく、ライフサイエンスの新たな対応をすべき分野も含めて種々の増減要因等を総合的に勘案して決定することが望ましいというように述べられております。
 こういった今まで提出させていただいた資料の中で、やはり資料1に戻るわけですけれども、3つ申し上げました条件、そういうものが今後整っていく中で、きちっとこちらとしても検討を進めていきたいと考えている次第です。
 以上でございます。


○八田座長 ありがとうございました。
 それでは、農水省、どうぞ。

○磯貝課長(*磯貝保 農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課長)
 農水省のほうからは特に説明はございません

○八田座長
 特にない。それでは、本間先生、どうぞ。

○本間委員(*本間正義 東京大学大学院農学生命科学研究科教授)
 前にも議論して、獣医師の定員管理をどうするかということは水かけ論になっていて、我々として定員管理は必要ないという立場であって、一定の技術を持ち、資格が認められれば、獣医師になるかならないか、試験を受けて獣医師になるか、その仕事に就くかというのはマーケットが決めればいい話だという議論をずっとさせていただいているのですけれども、そこを詳しく議論する時間もないのですが、今治市のほうから出てきている話としては、例えば感染症対策だとか新しいニーズとして獣医師の養成が必要だということです。単なる定員増とは別のところにあるということ。そのあたりの見解についてはどうなのでしょう。国際水準ということ、特に感染症対策あるいは水産を含む獣医師の養成だとか、新しいニーズは相当にあると思うのですが、そのあたりについての文科省の御見解を聞かせて下さい。

○浅野課長(*浅野敦行 文部科学省高等教育局専門教育課長)
 1つは、今、申し上げた再興戦略の改訂版の2015年の記載も踏まえまして、提案主体による構想が具体化した場合には近年の獣医の需要の動向も考慮しつつ全国的見地から検討を行うとしているところでございます。
 幾つか論点というか前に御提出いただいた資料について、例えばまず1つ目は、国際的対応の可能な獣医師の養成ということがございます。これにつきましては、全国大学獣医学関係代表者協議会におきまして、全国国際獣疫事務局が定めた獣医学に関する教育内容を反映させたモデルコアカリキュラムを平成23年に定めて、各大学において教育内容の質の改善を図っております。各大学においてモデルコアカリキュラムに基づいて現在、公衆衛生学総論、公衆衛生学実習、食品衛生学等に関する教育研究も実施しておりまして、毎年公衆衛生獣医師というのは輩出をしております。
 危機管理発生時の学術支援拠点につきましては、動物由来感染症の統御や家畜の越境感染症の貿易への対応は、一義的には国や県において担うものであります。国や県において危機管理対応を行う人材の養成については、各大学においてモデルコアカリキュラムに基づいて人獣共通感染症学、動物感染症学等に関する教育研究を実施しているところであります。
 3点目、獣医学の領域における人間運動生理学の応用については、そのモデルコアカリキュラムに生理学や臨床学等の講義、演習が明記されておりまして、各大学においてライフサイエンス分野での活躍できる人材の養成に取り組んでおりますが、その具体的な需要は明確となってはおりません。
この3点について、今、申し上げましたように、各大学でそれぞれコアカリキュラムで取り組んでいる内容であるのではないかと考えております。

○本間委員
 いろいろな大学が新たな分野に取り組んでいるというのはそのとおりだと思うし、それは別に獣医に限らず、どの分野でも新しいものは取り組んでいる。学問あるいは技術の進歩においてそうされているというのは十分承知していますけれども、例えば家畜の越境国際感染症だとか、これまであまり日本の中では対処の必要がなかったわけではないと思うのですが、需要が非常に出てきたという中で、一定の人材の中でそれに割くというよりは、新たなニーズが出てきたからには、それに対応するマンパワーの増強というのは必要だと思うわけです。ですから、その意味では、既存の獣医学部でそういうところに回したら、むしろ今のスキームの中ではその獣医学部の増員も必要かもしれないけれども、やはり特化した形での今治市のような提案の獣医学部というのはある種の差別化した獣医学部の創設ということで、これは今の時代に非常に求められているという気がするわけです。
 なおかつ、需要がどれだけかわからないということなのですけれども、それはもう少し提案者ないしはそれを取り巻く状況からきちんとヒアリングしていただいて、早急にそこはお認めいただきたい。そういうニーズの把握はきちんとしていただいて、こういう特化した獣医学部の創設ということを前向きに考えていただければと思います。

○磯貝課長(*磯貝保 農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課長)
 今の越境感染症などの対応ですけれども、現実としましては、ここ10年、鳥インフルエンザとか口蹄疫の発生とかございました。それに対しては、基本的には海外から入ってくるものですから、水際の検疫を農林水産省の動物検疫所が行い、かつ、実際に発生した場合には、法律に基づいて都道府県がまずは対処し、日本中どこで起きるかわかりませんから、どこかで起きた場合には、例えば宮崎県で起きた場合であれば、隣県は宮崎県から入ってくることの防止をしなければいけないのでまず自分の県をやりますけれども、さらにその外側の都道府県の獣医師が協力して対応してきているのが、これまでのこの10年ぐらい、鳥インフルエンザ、口蹄疫の発生、特に鳥インフルエンザはたびたび発生をしていますけれども、それに対応してきているという状況です。実際、今、働いているのは、いわゆる公務員獣医師、水際を国がやり、実際の発生には都道府県の獣医師が対応しているというような状況でございます。

○本間委員
 対応ということではそうだと思うのです。だから、それは具体的に鳥インフルエンザなり感染症なりが発生したときにそれをどう防ぐかという問題と、それの根本の学問的な検証とか、あるいは今後の動向だとかということを含めた研究を行うことは全く別の話であって、今、水際のところも十分獣医師が足りているのかどうかわかりませんけれども、たとえ足りているとしても、新たな問題が多々発生している中で、それは将来的にどう防ぐかということも含めた学問的な追求ないしは体制づくりということが必要だということがここの主張であって、今、水際で検疫等々で調べる獣医師さんがとても不足しているから増やせという話では必ずしもないということですね。
 農水省としては、例えばこの提案をどのように受けとめているのか、そのあたりをお聞かせいただければと思います。新設獣医学部について。

○磯貝課長(*磯貝保 農林水産省消費・安全局畜水産安全管理課長)
 農水省のほうとしては、大学・学部を新設されたいということに対しては、特段コメントをする立場にはないと思っております。現実として産業動物、家畜の数というのは需要が伸びていた時代と違いまして需要自体も減ってきていて減少している。また、ペットのほうもある程度飽和してきて犬の数が減ってきているという実態があるという認識をしているだけでございます。

○本間委員
 その意味では、つまり、獣医師の試験を受けようか、受けないで別のところの職場に行こうか等々は、まさにそういうことのマーケットを踏まえて受験生が決める話であって、そこは定員管理で縛る話ではないと思います。

○八田座長
 こういう新しい分野の研究に特色を持った大学は学生数や研究費を増やしていけるようにし、その一方で、従来型のもうあまり需要がない科目を教えている大学では学生数や定員数も研究費も減らしていくのが順当な話だと思います。どんな新しい分野も既得権を持った大学の中だけで、やっていきましょうということはあり得ない。新しい工夫をしたところが伸び、旧態依然のところが退出していくのが基本だと思います。
 獣医師が新たに必要な分野における研究者の需要を計測すべきだと思います。外国だって恐らく伸びているでしょうから、日本だってこういうニーズは増えているのを計測可能でしょう。新しい分野の研究者を既存の大学の人だけにやらせるのではなくて、専門的な教育を受けた人を増やす必要があります。しかも2015年に、この問題を年度内に検討を行うはずだったわけですから、需要があるないということに関する結論が遅きに失しているのではないかと思うのです。今回、また特区諮問会議でもここが新たな課題として出された以上、本当にこれは早急に御検討をお願いしたいと思います。

○浅野課長(*浅野敦行 文部科学省高等教育局専門教育課長)
 御指摘いただいたように、もう繰り返しになりますので申し上げませんけれども、我々としては先ほど本間先生からも御指摘いただいたように、既存の獣医師でない構想、獣医師養成でない構想が具体化し、かつライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要が明らかになって、既存の大学・学部では対応困難だということであれば、そういったこともしっかり検討していくというつもりでございます

○八田座長
 そうであるかどうかという判定というのはもう今、進めていらっしゃるのですか。それとももう少し提案者等からのヒアリングが必要だということですか。

○浅野課長(*浅野敦行 文部科学省高等教育局専門教育課長)
 恐らくこれは文科省だけでは決められないと思いますので、きちっとしかるべく多分政府全体として、需要と供給の問題も全く関係ないわけではありませんので。

○八田座長
 それは関係ないでしょう。文科省は研究が必要かどうか、その観点からやるから文科省に権限があるので、実際の人たちの損得を斟酌するなどということはあり得ないでしょう。文科省は研究の必要性、ちゃんと需要が十分ある研究者を養成するということが必要なら、それは当然やるべきではないですか。ほかのところを見る必要などは何もないでしょう

○浅野課長(*浅野敦行 文部科学省高等教育局専門教育課長)
 ただ、獣医学部を出た卒業生は、獣医師国家試験の受験資格が与えられますので、当然そこの需給の問題というのはかかわってくる。

○八田座長
 それは先ほど本間先生がおっしゃったように、その能力があるかどうかを検査すべきで、そこで仮に数が多過ぎて競争によってだめな獣医師が退出して、優秀な獣医師に置きかえられるのは大いに歓迎するべきことです。実際問題として、今、例えば日本はバイオに関する研究者はすごく不足しています。医者が制限しているため不足しているので、結局、理学部の出身の人がバイオ研究を支えているわけですけれども、獣医からも来てほしいわけです。日本のバイオの研究の根底がそういう、医学部や獣医学部の既得権を持った人による供給制限で押さえられているわけです。文科省はそんなところを見るべきでない。やはり日本の研究水準を上げることを第一に考えられるべきではないでしょうか。

○本間委員
 私も全く同じこと。繰り返しになりますけれども、要するに獣医師が増えるか増えないかということは文部省のマターではないということです。いみじくもライフサイエンスという言葉を使っているわけですから、これは医学、獣医学、理学、薬学等がまさに一体となって、これまでのような縦割りあるいは枠ごとのサイエンスで中でやっていくというのではなくて、相互にコラボレートする必要があるので、その中で獣医学を考えていかないと、今後の日本の獣医学そのものが相当に遅れてしまうという懸念も持っています。ぜひそこは枠を超えた形で、定員管理の話は別の話として、ないしは考慮に置かずに日本の研究レベルを上げるという観点からぜひ御検討いただきたいと思います。

○八田座長
 それから、研究レベルを検討するときに、国内の囲まれた学者の意見だけ聞くのではなくて、国際的な評価を御覧になるべきだと思います。それも重要で、特にこの新しい獣人共通のような分野で本当に日本の研究が進んでいるのかどうかということは御覧になるべきで、向こうの議論、既得権を持った人に対する議論を突破するためには、そういう国際的な見地あるいは知見をお使いになるということは重要ではないかと思います。どうぞ。

○藤原審議官
 御議論ありがとうございました。
 今日、まさに提案の具体化なり提案者の今後の意向みたいな話がありましたけれども、これは先ほど委員の方には申し上げましたけれども、また今治市の分科会というのは21日に開催をさせていただきまして、まさに提案自治体である今治市、商工会議所の方と委員の先生方も含めて、そのあたりのまた詰めがございます。当然、今治市はこればかりを提案しているわけではないので、他のテーマもやりますし、あと逆に言うと、今治市だけではなくてこの要望は今、京都のほうからも出ていまして、かなり共通のテーマで大きな話になっておりますので、WGでの議論もそうですが、その区域会議、分科会のほうでまた主だった議論をしていくということになろうと思います。21日の午前中でございますけれども、今日おいでの先生方にもぜひ御参加いただきたいのですが、文科省、農水省にもオブザーバーでぜひということで事務的にも御連絡申し上げておりますので、そこで忌憚ない意見交換をしていただければと思っているところでございます。

○八田座長
 それでは、本当に積極的に御検討を急いでいただきたいと思います。どうもありがとうございました。




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