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2014年2月25日 「国家戦略特別区域基本方針」の閣議決定


20140225「資料1国家戦略特別区域基本方針の概要」 (1)

20140225「資料1国家戦略特別区域基本方針の概要」 (2)








目次

第一 国家戦略特別区域における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成の推進の意義及び目標に関する事項
1.背景及び経緯
2.国家戦略特別区域における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成の推進の意義及び目標
 (国家戦略特区制度の目的・意義)
 (国家戦略特区制度の目標)
 (国家戦略特区制度の運用の原則)
 (留意すべき点)

第二 国家戦略特別区域における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成の推進のために政府が実施すべき規制改革その他の施策に関する基本的な方針
1.規制改革等の施策の推進に関する基本的考え方
 (規制改革の推進)
 (施策の総合的かつ集中的な推進)
2.規制・制度改革等の施策の推進体制
 ①内閣総理大臣主導の下、迅速で簡潔に実行できる体制の構築
 ②内閣官房及び関係府省庁の役割及び連携
 ③国家戦略特別区域諮問会議及び国家戦略特別区域会議
  (1)国家戦略特別区域諮問会議
   (諮問会議の役割)
   (構成員の基本的考え方)
   (運営に係る基本的な事項)
  (2)国家戦略特別区域会議
   (区域会議の役割)
   (構成員の基本的考え方)
   (運営に係る基本的な事項)
3.区域方針に関する基本的な事項
 ①区域方針の意義
 ②区域方針の策定手続
 ③区域方針の記載事項
4.国家戦略特別区域の評価に関する基本的な事項
 ①区域計画における定量的な目標の設定
 ②評価項目
 ③評価の実施主体及び方法、手続
  ア)実施主体及び方法
  イ)評価結果の内閣総理大臣への報告及び公表等
  ウ)諮問会議による調査審議
 ④評価の時期
 ⑤評価結果の反映
 ⑥認定の取消し及び区域指定の解除
  ⅰ)区域計画の認定の取消しに関する基本的な事項
  ⅱ)区域指定の解除等に関する基本的な事項 
   ア)指定の解除等の手続
   イ)国家戦略特区の指定解除等の基準
5.関連する施策との連携に関する基本的な事項
 ①構造改革特区制度との連携
 ②全国規模及び企業単位の規制改革との連携
 ③総合特別区域制度及びその他の地域活性化施策との連携


第三 国家戦略特別区域を指定する政令の立案に関する基準その他基本的な事項
1.国家戦略特別区域の指定基準
 ①国家戦略特区の指定の基本的考え方
 ②国家戦略特区の指定範囲の考え方
 ③国家戦略特区の指定の基準
  【指定基準】
 ④国家戦略特区の指定数の考え方
2.国家戦略特別区域の指定手続に関する基本的な事項


第四 第8条第1項に規定する区域計画の同条第7項の認定に関する基本的事項
1.区域計画の作成に関する基本的な事項
 ①区域計画作成に当たっての基本的考え方
 ②区域計画の記載事項
 ③特定事業の実施主体に関する申出制度の趣旨及び手続
2.区域計画の認定に関する基本的な事項
 ①内閣総理大臣による認定の意義及び効果
 ②認定基準
 ③迅速な処理
 ④法第8条第9項の趣旨
 ⑤関係府省庁の長が不同意の判断をする場合の取扱い
 ⑥規制の特例措置が全国展開、廃止等される場合の手続等


第五国家戦略特別区域における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成の推進に関し政府が講ずべき措置についての計画

1.規制の特例措置
 ①「国家戦略特区における規制改革事項等の検討方針」の着実な実行
 ②規制の特例措置の追加に関する基本的考え方
  (新たな規制の特例措置の追加)
  (新たな規制の特例措置の実現手続)
 ③拡充、是正又は廃止する規制の特例措置
 ④構造改革特区の規制の特例措置
2.金融上の支援措置
 ①国家戦略特区支援利子補給金の趣旨及び概要
 ②区域計画への記載事項
 ③区域計画の認定条件
3.税制上の支援措置
 ①国家戦略特区における課税の特例措置の趣旨及び概要
 ②事業実施計画への記載事項
 ③区域計画への記載事項
 ④区域計画の認定条件


第六 国家戦略特別区域における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成の推進に関し政府が講ずべき新たな措置に係る提案の募集に関する基本的な事項
 ①提案募集の趣旨及び概要
 ②提案主体
 ③提案募集の時期
 ④提案募集の周知
 ⑤提案を受けた政府の対応

第七その他国家戦略特別区域における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成の推進に関し必要な事項

 (透明性の確保)
 (国家戦略特区制度の周知)







            国家戦略特別区域基本方針

                         平成26年2月25日閣議決定
                         平成26年10月7日一部変更
                         平成27年9月18日一部変更

 国が定めた国家戦略特別区域(以下「国家戦略特区」という。)において、経済社会の構造改革を重点的に推進することにより、我が国を取り巻く国際経済環境の変化その他の経済社会情勢の変化に対応して、我が国の経済社会の活力の向上及び持続的発展を図るため、国家戦略特別区域法(平成25年法律第107号。以下「法」という。)第5条第1項*1に基づき、国家戦略特別区域における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成に関する施策の総合的かつ集中的な推進を図るための基本的な方針として、国家戦略特別区域基本方針(以下「基本方針」という。)を定める。

*1 国家戦略特別区域法第5条

   第二章 国家戦略特別区域基本方針
第五条
1  政府は、国家戦略特別区域における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成に関する施策の総合的かつ集中的な推進を図るための基本的な方針(以下「国家戦略特別区域基本方針」という。)を定めなければならない。
2  国家戦略特別区域基本方針には、次に掲げる事項を定めるものとする。
 一  国家戦略特別区域における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成の推進の意義及び目標に関する事項
 二  国家戦略特別区域における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成の推進のために政府が実施すべき規制改革その他の施策に関する基本的な方針
 三  国家戦略特別区域を指定する政令の立案に関する基準その他基本的な事項
 四  第八条第一項に規定する区域計画の同条第七項の認定に関する基本的な事項
 五  国家戦略特別区域における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成の推進に関し政府が講ずべき措置についての計画
 六  国家戦略特別区域における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成の推進に関し政府が講ずべき新たな措置に係る提案の募集に関する基本的な事項
 七  前各号に掲げるもののほか、国家戦略特別区域における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成の推進に関し必要な事項
3  内閣総理大臣は、国家戦略特別区域諮問会議の意見を聴いて、国家戦略特別区域基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
4  内閣総理大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、国家戦略特別区域基本方針を公表しなければならない。
5  政府は、情勢の推移により必要が生じた場合には、国家戦略特別区域基本方針を変更しなければならない。
6  第三項及び第四項の規定は、前項の規定による国家戦略特別区域基本方針の変更について準用する。
7  内閣総理大臣は、必要があると認めるときは、国家戦略特別区域基本方針に基づき、第二項第六号に規定する提案の募集を行うものとする。





第一 国家戦略特別区域における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成の推進の意義及び目標に関する事項
1.背景及び経緯
 20年以上続いた日本経済の低迷は、少子高齢化の到来とあいまって、我が国経済社会にデフレの長期化等の深刻な影響をもたらした。こうした状況を打破するためには、成長分野への投資や人材の移動を加速させることで好循環を生み出し、民間の力を最大限引き出して、日本経済を停滞から再生へ導くことが重要である。
 民間の投資を引き出す際に重要となるのが、投資先で民間の創意と工夫が十分に発揮できるのか、これまで規制で縛られていた分野がこれからどう変わるのかという点であり、日本経済を再興するためには、スピード感をもって大胆な規制・制度改革を実現していくことが必要である。
 こうした背景の下、日本経済の再生に向けた第三の矢としての成長戦略である「日本再興戦略-JAPAN is BACK-」(平成25年6月14日閣議決定)*2においては、内閣総理大臣主導で、国の成長戦略を実現するため、大胆な規制改革等を実行するための突破口として、国家戦略特区を創設することとされた。
*2「日本再興戦略-JAPAN is BACK-」(平成25年6月14日閣議決定)(PDF

2.国家戦略特別区域における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成の推進の意義及び目標

(国家戦略特区制度の目的・意義)
 国家戦略特区は、日本の経済社会の風景を変える大胆な規制・制度改革の突破口である。大胆な規制・制度改革を通して経済社会の構造改革を重点的に推進することにより、産業の国際競争力の強化とともに、国際的な経済活動の拠点の形成を図り、もって国民経済の発展及び国民生活の向上に寄与することを目的とする。
 具体的には、国家戦略特区において、「居住環境を含め、世界と戦える国際都市の形成」、「医療等の国際的イノベーション拠点の整備」といった観点から、規制の特例措置(法第2条第3項に規定する規制の特例措置をいう。以下同じ。)の整備その他必要な施策(以下「規制の特例措置等」という。)を、国民の安全の確保等に配慮し、関連する諸制度の改革を推進しつつ総合的かつ集中的に講ずることにより、国内のみならず、世界から資本と人を惹きつけられる、日本の固有の魅力をもったプロジェクト(国家戦略特区の目標の達成のために実施される特定事業(法第2条第2項に規定する特定事業をいう。以下同じ。)及び当該区域における規制改革等の関連事業(以下「特定事業等」という。)のパッケージをいう。以下同じ。)を推進していくものである。これにより、「世界で一番ビジネスのしやすい環境」を創出し、民間投資が喚起されることで、日本経済を停滞から再生へとつなげていく。
 これまでの地域の発意に基づくボトムアップ型の特区に対し、民間有識者の知見等を活用しつつ、国が自ら主導し国と地域の双方が有機的連携を図ることにより、国・地方・民間が一体となって取り組むべき、国家戦略として日本経済の再生に資するプロジェクトを推進することとしている。このように、国家戦略特区内においては、国も含めて地方・民間の三者が一体となって連携を図っていくことが重要であり、地域間や、特定事業等及び実施主体間等において、相互に密接な連携を図るための共通基盤として機能させていくべきである。
 国家戦略特区におけるプロジェクトの推進に当たっては、ビジネスや投資を行う側に立った視点やベンチャー企業等による新産業の創出といった視点、さらには大学・研究機関と連携した人材育成の視点などを欠いてはならず、また、全国的な視点に立って、地方を含めた日本全体の発展につなげていくことが必要である。

(国家戦略特区制度の目標)
 東京オリンピック・パラリンピックも視野に、2020年をにらんだ中期目標を設定して取組を進めていくこととする。
 また、2015年度末までを集中取組期間として、経済社会情勢の変化の中で民間が創意工夫を発揮する上での障害となってきているにもかかわらず永年にわたり改革ができていないような、いわゆる「岩盤規制」全般について速やかに具体的な検討を加え、国家戦略特区を活用して規制・制度改革の突破口を開く。これにより、民間の能力が十分に発揮できる世界で一番ビジネスのしやすい環境を整備し、経済成長につなげることを目標とする。

(国家戦略特区制度の運用の原則)
 国家戦略特区制度については、次の3点を運用の原則とする。
ア)情報公開の徹底を図り、透明性を十分に確保すること
イ)スピードを重視し、法第29条に基づく国家戦略特別区域諮問会議(以下「諮問会議」という。)、法第7条に基づく国家戦略特別区域会議(以下「区域会議」という。)及び国家戦略特別区域担当大臣の下に設置する国家戦略特区ワーキンググループ(以下「WG」という。)の相互間の連携、国家戦略特別区域諮問会議令(平成25年政令第342号)で定める専門調査会の活用等により機動的運営を行っていくこと。
ウ)PDCAサイクルに基づく評価を行い、評価に基づき国家戦略特区の指定の解除も含めた措置を適切に講ずること等により、国家戦略特区間の競争を促進すること。

(留意すべき点)
 国家戦略特区の運用に当たっては、日本の経済成長に対して、国家戦略特区として指定された地域だけが努力するのではなく、日本全体で知恵を出す競争が促されるようにするとともに、各種制度との連携を図ること等により国家戦略特区の成果を日本全体に行き渡らせていくことが重要であり、また、地域の自主性や創意工夫が尊重され、地域が活性化されるよう留意する必要がある。
 あわせて、国家戦略特区の取組に当たっては、民間活力を引き出すことが重要であり、事業や投資の推進役となるのは民間事業者であることに留意が必要である。



第二 国家戦略特別区域における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成の推進のために政府が実施すべき規制改革その他の施策に関する基本的な方針
1.規制改革等の施策の推進に関する基本的考え方
(規制改革の推進)
 特区制度は、全国的には実現が困難な規制改革であっても、特定の要件を満たす区域を限定することにより、規制改革を実現してきた制度であるが、従来の特区制度によっても十分に実現できなかった規制改革、いわゆる「岩盤規制」について、その規制改革を実行するための突破口として、国家戦略特区を創設したものである。
 その際、実効性を確保するために規制の特例措置について過度な要件を付さないことはもちろんのこと、スピード感と実行力をもって取り組むことが特に重要である。規制改革の突破口という位置付けから、国家戦略特区において措置された規制の特例措置は、その実施状況等について適切な評価を行い、当該評価に基づき、その成果を全国に広げていくことが必要である。このため、PDCAサイクルに基づく評価において、規制の特例措置についての評価に基づき、特区ごとの改革競争を通じて全国展開が促進されるような仕組みを構築する。
 経済社会情勢が変化していく中、規制改革には終わりはなく、常に、地方公共団体、民間事業者等からの現場のニーズを把握し、必要な規制改革を強力に進めていくことが必要である。

(施策の総合的かつ集中的な推進)
 国家戦略特区における取組の推進に当たっては、産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成を図るという目的に沿って、戦略的な継続性を持って、必要な規制の特例措置を複合的に活用するなど、国及び地方公共団体の政策資源を総合的かつ集中的に講ずることが重要である。

2.規制・制度改革等の施策の推進体制
①内閣総理大臣主導の下、迅速で簡潔に実行できる体制の構築

 日本経済の再興が喫緊の課題となっている中、国家戦略特区における取組をスピード感をもって強力に進めるため、内閣総理大臣主導の下、迅速で簡潔に実行できる体制を構築することが必要であり、こうした考え方から、諮問会議及び区域会議の構成員は、必要最低限の構成としているものである。

②内閣官房及び関係府省庁の役割及び連携
 国家戦略特区制度の推進に当たっては、内閣官房において、基本方針の案の作成(変更を含む。)に関する事務を行い、内閣府において、国家戦略特区を指定する政令案の作成、諮問会議の庶務、規制の特例措置等の提案の受付、法第6条に基づく国家戦略特別区域における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成に関する方針(以下「区域方針」という。)の策定、区域会議の庶務、法第8条に基づく国家戦略特区における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成を図るための計画(以下「区域計画」という。)の認定その他の法に基づき内閣総理大臣又は国家戦略特別区域担当大臣が行うこととされている事項に関する事務を行う。
 内閣官房及び内閣府は、政府の関係行政機関(以下「関係府省庁」という。)の施策間の総合的な調整を図るものとする。その際、国家戦略特別区域担当大臣は、内閣府設置法(平成11年法律第89号)第12条に基づき、関係府省庁の長に対し、必要な資料の提出及び説明を求めることができるほか、勧告し、当該勧告に基づいて講じた措置について報告を求めること等ができることとされている。
 国家戦略特区を政府一体となって推進する体制の構築が重要であることから、関係府省庁は、所掌事務の縦割りの弊害に陥ることなく、内閣官房及び内閣府と緊密に連携し、国家戦略特区における法第6条第2項第1号*3の目標の達成に向け、必要な施策を集中的に講ずるなど最大限努力するものとする。
*3 法第6条第2項第1号

第六条 (区域方針)
2  区域方針には、次に掲げる事項を定めるものとする。
一  国家戦略特別区域における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成に関する目標並びにその達成のために取り組むべき政策課題

 また、関係府省庁の長については、迅速で簡潔に実行できる体制を構築する観点から諮問会議及び区域会議の必須の構成員とされていないが、事業及び規制の特例措置を所管している専門的な立場から、法第7条第3項*4又は第33条第2項*5の規定により必要に応じて諮問会議又は区域会議への参加を求めることとしているほか、法第8条第9項の規定により内閣総理大臣による区域計画の認定の際同意を求めることとしている。
*4 法第7条(国家戦略特別区域会議)第3項

3  国家戦略特別区域担当大臣及び関係地方公共団体の長は、必要と認めるときは、協議して、次に掲げる者を、国家戦略特別区域会議に構成員として加えることができる。
一  国の関係行政機関の長(当該行政機関が合議制の機関である場合にあっては、当該行政機関。以下同じ。)
二  国家戦略特別区域会議が作成しようとする区域計画又は認定区域計画及びその実施に関し密接な関係を有する者

*5 第33条第2項

2  議長は、必要があると認めるときは、第三十一条(*議長と議員で構成)及び前項(*32条は議員の規定)の規定にかかわらず、同項第一号から第三号までに掲げる議員である国務大臣以外の国務大臣を、議案を限って、議員として、臨時に会議に参加させることができる。

*6 法第8条第9項

9  内閣総理大臣は、認定をしようとするときは、区域計画に定められた特定事業に関する事項について、当該特定事業に係る関係行政機関の長(以下この章において単に「関係行政機関の長」という。)の同意を得なければならない。この場合において、当該関係行政機関の長は、当該特定事業(第二条第二項第一号に掲げるものに限る。)が、法律により規定された規制に係るものにあっては第十二条の二から第二十五条までの規定で、政令又は主務省令により規定された規制に係るものにあっては国家戦略特別区域基本方針に即して第二十六条の規定による政令若しくは内閣府令・主務省令で又は第二十七条の規定による政令若しくは内閣府令・主務省令で定めるところにより条例で、それぞれ定めるところに適合すると認められるときは、同意をするものとする。



③国家戦略特別区域諮問会議及び国家戦略特別区域会議
(1)国家戦略特別区域諮問会議
(諮問会議の役割)

 諮問会議は、国家戦略特区に関する重要事項について調査審議する役割を担うものとして、法第5章に規定されるとともに、内閣府設置法第18条第2項の「別に法律の定めるところにより内閣府に置かれる重要政策に関する会議で本府に置かれるもの」として位置付けられるものである。
 諮問会議の所掌事務は、法第30条*7の規定により、以下のとおりである。
 ア)国家戦略特区の指定に関し、内閣総理大臣に対して意見を述べること。
 イ)基本方針に関し、内閣総理大臣に対して意見を述べること。
 ウ)区域方針に関し、内閣総理大臣に対して意見を述べること。
 エ)区域計画の認定に関し、内閣総理大臣の求めに応じて意見を述べること。
 オ)法第37条第2項に規定する雇用指針の作成に関し、意見を述べること。
 カ)ア)からオ)に掲げる事項のほか、内閣総理大臣又は関係各大臣の諮問に応じ、国家戦略特区における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成の推進に関する重要事項について調査審議すること。
*7 法第30条

法第三十条(所掌事務)
 会議は、次に掲げる事務をつかさどる。
一  国家戦略特別区域の指定に関し、第二条第五項に規定する事項を処理すること。
二  国家戦略特別区域基本方針に関し、第五条第三項(同条第六項において準用する場合を含む。)に規定する事項を処理すること。
三  区域方針に関し、第六条第三項(同条第六項において準用する場合を含む。)に規定する事項を処理すること。
四  区域計画の認定に関し、第八条第八項(第九条第二項において準用する場合を含む。)に規定する事項を処理すること。
五  第十六条の四第三項に規定する指針に関し、同条第四項に規定する事項を処理すること。
六  第三十七条第二項に規定する雇用指針に関し、同項に規定する事項を処理すること。
七  前各号に掲げるもののほか、内閣総理大臣又は関係各大臣の諮問に応じ、国家戦略特別区域における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成の推進に関する重要事項について調査審議すること。
八  第一号から前号までに規定する事項に関し、調査審議し、必要があると認めるときは、内閣総理大臣及び関係各大臣に対し、意見を述べること。



(構成員の基本的考え方)
 諮問会議の構成員については、こうした諮問会議の役割に鑑み、経済社会の構造改革の推進による産業の国際競争力の強化又は国際的な経済活動の拠点の形成に関し優れた専門的知識と経験を有する民間有識者を加えることとし、内閣総理大臣主導の下、迅速で簡潔に実行できる体制を構築する観点から、諮問会議の議長を内閣総理大臣とした上で、議員を法第33条*8に掲げる者に限定しているものである。
*8 法第33条

法第三十三条(議員)
 議員は、次に掲げる者をもって充てる。
一  内閣官房長官
二  国家戦略特別区域担当大臣
三  前二号に掲げる者のほか、国務大臣のうちから、内閣総理大臣が指定する者
四  経済社会の構造改革の推進による産業の国際競争力の強化又は国際的な経済活動の拠点の形成に関し優れた識見を有する者のうちから、内閣総理大臣が任命する者
2  議長は、必要があると認めるときは、第三十一条及び前項の規定にかかわらず、同項第一号から第三号までに掲げる議員である国務大臣以外の国務大臣を、議案を限って、議員として、臨時に会議に参加させることができる。
3  第一項第四号に掲げる議員の数は、同項各号に掲げる議員の総数の十分の五未満であってはならない。
4  第一項第四号に掲げる議員は、非常勤とする。

 また、議員である国務大臣以外の国務大臣については、当該国務大臣が所管する行政分野に関する議案について調査審議する場合をはじめとして必要なときには、議長である内閣総理大臣が適切に判断し、当該国務大臣を、議案を限って、議員として、臨時に会議に参加させることができることとしており、専門的な立場から意見を述べる機会を確保するものとする。

(運営に係る基本的な事項)
 諮問会議の運営に当たっては、調査審議の公平性・中立性を確保することが極めて重要である。このため、諮問会議に付議される調査審議事項について直接の利害関係を有する議員については、当該事項の審議及び議決に参加させないことができることとするなど、諮問会議における調査審議が公平かつ中立的に行われるよう留意する。
 併せて、調査審議の公平性・中立性を確保するため、諮問会議における審議の内容及び資料は、原則として公表することとし、議事要旨の公表及び一定期間経過後の議事録の公表を行い、透明性を高めることが必要である。
 専門的な事項について調査をする必要がある場合には、国家戦略特別区域諮問会議令で定めるところにより、専門委員又は専門調査会を置き、当該事項の調査をさせることにより、各分野の専門的知見を反映するとともに、機動性を発揮することが、スピードと実行力を確保する上で有効であることから、これらを積極的に活用することとする。

(2)国家戦略特別区域会議
(区域会議の役割)

 区域会議は、法第7条第1項に基づき、政令で指定された国家戦略特区ごとに設けられ、
 ア)区域計画の作成
 イ)法第11条第1項に規定する認定区域計画(以下「認定区域計画」という。)の実施に係る連絡調整
 ウ)国家戦略特区における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成に関し必要な協議を行うことを任務としている。

(構成員の基本的考え方)
 国家戦略特区は、国・地方・民間が一体となって取り組むべきプロジェクトを推進するものであることから、区域会議の構成員は、
 ア)国家戦略特別区域担当大臣
 イ)関係地方公共団体の長
 ウ)国家戦略特区における産業の国際競争力の強化又は国際的な経済活動の拠点の形成に特に資すると認める特定事業を実施すると見込まれる者として、内閣総理大臣が選定した者
 により組織することを必須としている*9。
 国家戦略特別区域担当大臣は、国家戦略特区の推進に関する国の行政を所管する立場から、地方公共団体の長は、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を担う立場から、民間事業者は、国家戦略特区において事業を実施する立場から参画するものである。
 区域会議の構成員となる関係地方公共団体の長とは、その全部又は一部が指定された国家戦略特区に含まれる都道府県及び市区町村の長である。
 また、国家戦略特別区域担当大臣及び関係地方公共団体の長が必要と認めるときは、協議して、国の関係行政機関の長(当該行政機関が合議制の機関である場合にあっては、当該行政機関)並びに区域計画又は認定区域計画及びその実施に関し密接な関係を有する者を構成員として加えることができることとしている。この場合の「区域計画に密接な関係を有する者」とは、例えば、地域の経済団体や金融機関等が地域を代表する者として想定されるが、具体の計画内容に照らして判断されるものであり、特にこれらの者に限定されるものではない。
*9 国家戦略特別区域会議の構成員に関する条文(法7条1項~3項)

第七条(国家戦略特別区域会議)
 国家戦略特別区域ごとに、次条第一項に規定する区域計画(第三項第二号において単に「区域計画」という。)の作成、第十一条第一項に規定する認定区域計画(同号において単に「認定区域計画」という。)の実施に係る連絡調整並びに国家戦略特別区域における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成に関し必要な協議(第四項及び第五項において「区域計画の作成等」という。)を行うため、次に掲げる者は、国家戦略特別区域会議を組織する。
一  国家戦略特別区域担当大臣(内閣府設置法 (平成十一年法律第八十九号)第九条第一項 に規定する特命担当大臣であって、同項 の規定により命を受けて同法第四条第一項第十一号 に掲げる事項に関する事務及び同条第三項第三号の六 に掲げる事務を掌理するものをいう。以下同じ。)
二  関係地方公共団体の長
2  内閣総理大臣は、区域方針に即して、国家戦略特別区域における産業の国際競争力の強化又は国際的な経済活動の拠点の形成に特に資すると認める特定事業を実施すると見込まれる者として、公募その他の政令で定める方法により選定した者を、国家戦略特別区域会議に構成員として加えるものとする。
3  国家戦略特別区域担当大臣及び関係地方公共団体の長は、必要と認めるときは、協議して、次に掲げる者を、国家戦略特別区域会議に構成員として加えることができる。
一  国の関係行政機関の長(当該行政機関が合議制の機関である場合にあっては、当該行政機関。以下同じ。)
二  国家戦略特別区域会議が作成しようとする区域計画又は認定区域計画及びその実施に関し密接な関係を有する者



(運営に係る基本的な事項)
 区域会議の運営に当たっては、議論への参加者をできるだけ絞り込むこと等により、国家戦略特別区域担当大臣も交えた、トップ同士による実質的な議論を通して区域計画の作成及び推進が迅速かつ強力に行われるように運営することが必要である。
 このため、区域会議の構成員である国家戦略特別区域担当大臣関係地方公共団体の長及び民間事業者の三者が対等な立場に立って合意形成を行えるように、区域会議における協議に基づき、例えば、協議会の活用や代表者の選出等により関係地方公共団体の意見を集約することや、関係地方公共団体の範囲を区域会議の議事に合わせて運用することなど、区域会議における迅速かつ適切な意思決定がなされるための運用上の工夫が求められる。
 民間事業者については、法第7条第2項*9に基づき、公募その他の方法により選定されるが、国家戦略特区において特定事業を実施すると見込まれる者が多数に及ぶ場合等には、公正・中立・透明な方法により代表者を選定するとともに、下部組織等の設置により特定事業を実施しようとする民間事業者の意見を反映する方策を講じるなど、区域会議における迅速かつ適切な意思決定がなされるための運用上の工夫が求められる。
 区域会議における議事については、内閣府のホームページにおいて速やかに公開し、公平性及び透明性を確保することが重要である。


3.区域方針に関する基本的な事項
①区域方針の意義

 国家戦略特区の指定に際しては、法第6条*10に基づき、内閣総理大臣は、区域方針を定めることとされている。区域方針は、基本方針に即して、政令で指定されたそれぞれの国家戦略特区について性格付けを行い、国・地方・民間の三者が、当該区域のあるべき将来像やそれに向けた政策課題及びその解決に向けた方向性等を共有することを目的とするものである。
 区域会議において作成する区域計画は、区域方針に即して作成することとなる。
*10 法6条

第六条(区域方針)
1  内閣総理大臣は、国家戦略特別区域ごとに、国家戦略特別区域基本方針に即して、国家戦略特別区域における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成に関する方針(以下「区域方針」という。)を定めるものとする。
2  区域方針には、次に掲げる事項を定めるものとする。
 一  国家戦略特別区域における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成に関する目標並びにその達成のために取り組むべき政策課題
 二  前号の目標を達成するために国家戦略特別区域において実施される事業に関する基本的な事項
 三  前二号に掲げるもののほか、国家戦略特別区域における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成に関し必要な事項
3  内閣総理大臣は、区域方針を定めようとするときは、国家戦略特別区域諮問会議及び関係地方公共団体の意見を聴かなければならない。
4  内閣総理大臣は、区域方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表するとともに、関係地方公共団体に送付しなければならない。
5  内閣総理大臣は、情勢の推移により必要が生じたときは、区域方針を変更しなければならない。
6  第三項及び第四項の規定は、前項の規定による区域方針の変更について準用する。



②区域方針の策定手続
 区域方針は、法第6条第3項に基づき、内閣総理大臣が、諮問会議及び関係地方公共団体の意見を聴いた上で決定する。その際、意見聴取の方法については、迅速かつ効率的に行うよう努めるものとする。区域方針を決定したときは、同条第4項に基づき、その内容を遅滞なく公表するとともに、関係地方公共団体に送付する。なお、区域方針は、国家戦略特区として指定される区域の性格付けや取組の方向性を示すものであることから、区域指定と一体的に決定することとする。
 経済社会情勢が大きく変化する等情勢の推移により必要が生じたときは、内閣総理大臣は、区域方針を変更しなければならない。この場合の手続についても区域方針の決定の際と同様である。

③区域方針の記載事項
 区域方針は、法第6条第2項に掲げる事項を定める。具体的には、以下の事項を定めるものとする。
ア)各国家戦略特区において目指すべき産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成に関する目標並びにその達成のために取り組むべき政策課題を定める。当該目標及び政策課題は、当該国家戦略特区の特性を踏まえつつ、当該区域のあるべき将来像の実現に向け、国・地方・民間の三者が共有できる指針となるように設定する。
イ)ア)で定めた当該国家戦略特区における目標を達成するために当該国家戦略特区において実施が見込まれる特定事業等の方向性及び概要等の基本的な事項を定める。
ウ)ア)及びイ)における事項以外に、当該国家戦略特区における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成に関し必要な事項を定める。


4.国家戦略特別区域の評価に関する基本的な事項
①区域計画における定量的な目標の設定

 国家戦略特区において実施されるプロジェクトについて、その効果を最大限発揮するためには、成果目標の設定及びPDCAサイクルによる進捗管理を適切に行うことが重要であることから、法第12条*11において、区域会議は、認定区域計画の進捗状況について、定期的に評価を行うこととされている。
*11 法12条

第十二条(認定区域計画の進捗状況に関する評価)
 国家戦略特別区域会議は、内閣府令で定めるところにより、認定区域計画の進捗状況について、定期的に評価を行うとともに、その結果について、内閣総理大臣に報告しなければならない。

 その際の評価について、客観的・定量的に評価を行うことができるようにするため、区域計画の作成に当たっては、当該区域計画の実施が当該国家戦略特区内外に及ぼす経済的社会的効果について、数値化や目標期間等も含め、できる限り具体的なものとして定めるものとする。
 その際、「日本再興戦略」に記載されている成果目標(以下「再興戦略KPI」という。)のどの項目の達成に、どの程度貢献できるかを、できる限り設定することとする。
②評価項目
 区域会議が実施する評価に際しては、次に掲げる項目について、総合的に評価を行うものとする。
 ア)国家戦略特区において実施し又はその実施を促進しようとする特定事業の進捗状況
 イ)認定区域計画の実施により実現した経済的社会的効果
 ウ)区域計画において設定した目標の達成状況。この場合において、再興戦略KPIを踏まえて目標を設定した場合には、再興戦略KPIへの寄与度についても、評価する。
 エ)規制の特例措置の活用状況及びその効果(法第10条第1項第1号の特定事業(以下「構造改革特区法の特定事業」という。)に係る構造改革特別区域法(平成14年法律第189号)第4章の規定による規制の特例措置(以下「構造改革特区の規制の特例措置」という。)の活用状況及びその効果を含む。以下同じ。)。併せて、これらの規制の特例措置の活用によって弊害が生じている場合には、弊害の内容及び対策の実施状況についても、評価する。
 オ)金融上の支援措置及び課税の特例措置の活用状況並びにその効果
 カ)その他目標の達成に向けた取組の実施状況
 キ)その他国家戦略特区の評価に資する事項

③評価の実施主体及び方法、手続
ア)実施主体及び方法
 法第12条に基づき、国家戦略特区の評価は、区域会議が行う。
 具体的な手順としては、当該区域会議の構成員である関係地方公共団体並びに当該区域計画に基づく特定事業等を実施する者が②に掲げる項目について評価を行い、それらの評価結果を基に、区域会議において認定区域計画全体の進捗状況を評価し、評価書として取りまとめることを基本とする。
イ)評価結果の内閣総理大臣への報告及び公表等
 法第12条に基づき、区域会議は、認定区域計画の進捗状況について評価を行ったときは、速やかに、内閣総理大臣に当該評価結果を取りまとめた評価書を提出し、報告するものとする。これを受け、内閣総理大臣は、報告のあった評価結果について、速やかに公表するものとする。
 公表に当たっては、特区間の健全な競争を促進させるため、各区域計画の評価結果について相対的かつ客観的に比較が可能なように整理することとする。
 また、内閣府は、国会に対し、法第12条に基づく評価結果等を踏まえ、法の施行状況等について、定期的に周知するものとする。
ウ)諮問会議による調査審議
 内閣総理大臣は、イ)に定めるところにより区域会議から評価結果の報告を受けたときは、当該区域会議から提出された評価書を諮問会議に提出し、諮問会議の意見を聴取するものとする。諮問会議は、当該評価結果について調査審議した上で内閣総理大臣に必要な意見を述べることとし、特に、国家戦略特区における規制の特例措置についての調査審議に当たっては、当該規制の特例措置を所管する府省庁(以下「規制所管府省庁」という。)からの意見を聴き、当該規制の特例措置について、全国展開の可否、要件の見直し(拡充、是正又は廃止)の必要性等も含め検討する。
 規制の特例措置の全国展開とは、規制の特例措置について、区域計画の認定制度によらず、当該規制が本来規定されている法律、政令又は主務省令(告示を含む。以下同じ。)(以下「法令」という。)の改正等を行うことにより、全国規模で規制改革の成果を享受できるよう措置することである。
 なお、構造改革特区の規制の特例措置に係る要件の見直し等については、別途、法第10条第5項の規定により適用される構造改革特別区域法第47条の規定に基づき、構造改革特別区域基本方針(平成15年1月24日閣議決定)に定めるところにより評価を行うものとする。

④評価の時期
 原則として、当該国家戦略特区に係る最初の区域計画が認定されてから1年を経過した時点の年度末までの状況について最初の評価を行い、以降、1年ごとに評価を行うこととする。

⑤評価結果の反映
 これらの評価結果及び諮問会議の意見を受け、区域会議は、国家戦略特区において実施する特定事業及び認定区域計画に適切に反映するほか、規制の特例措置について全国展開等の措置を講ずることとされた場合には、期限を設けて、内閣府及び規制所管府省庁は当該措置を講ずるものとする。この場合において、区域計画の変更が必要となった場合には、区域会議は、法第9条に定めるところにより、速やかに、変更の手続をとるものとする。

⑥認定の取消し及び区域指定の解除
ⅰ)区域計画の認定の取消しに関する基本的な事項
 内閣総理大臣は、認定区域計画の評価結果等を踏まえ、認定区域計画が法第8条第7項各号に定める認定基準のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、法第11条に基づき、その認定を取り消すことができることとされている。
 この場合において、内閣総理大臣は、認定の取消しが当該区域計画に定められた特定事業の実施や当該事業に係る規制の特例措置の適用に影響を及ぼし得るものであることから、法第11条第1項の規定により、あらかじめその旨を関係府省庁の長へ通知する必要がある。
 また、法第11条第2項に基づき、関係府省庁の長は、内閣総理大臣に対し、区域計画の認定の取消しに関し必要と認める意見を申し出ることができることとされている。これは、特定事業の適正な実施のために必要な措置が講じられない場合等には、関係府省庁の長から内閣総理大臣に意見の申出を行うこととすることにより、内閣総理大臣は認定の取消しに関し、より適切な判断をすることができるようにするものである。

ⅱ)区域指定の解除等に関する基本的な事項
ア)指定の解除等の手続
 内閣総理大臣は、認定区域計画の評価結果を踏まえ、国家戦略特区の全部又は一部が第三の1に示す指定基準に適合しなくなったと認めるときは、法第2条第5項の規定により諮問会議及び関係地方公共団体の意見を聴取した上で、当該国家戦略特区における状況を総合的に勘案の上、その指定を解除し、又はその区域を変更することができるものとする。

イ)国家戦略特区の指定解除等の基準
 ア)の場合において、以下の事項を指定解除又は区域の変更の基準として判断することとする。
 a)各年度における定量的な目標の達成状況及び当該状況を踏まえた今後の取組に係る検討状況から、当該国家戦略特区における目標の達成が困難であると認めるとき。
 b)規制の特例措置、構造改革特区の規制の特例措置、金融上の支援措置又は課税の特例措置の活用が適切に行われていないと認めるとき。
 c)a)及びb)に掲げる事項のほか、当該区域において産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成に資する事業の実施が困難であり、我が国の経済社会の活力の向上及び持続的発展に相当程度寄与する見込みがないと認めるとき。


5.関連する施策との連携に関する基本的な事項
①構造改革特区制度との連携

 区域会議は、国家戦略特区における産業の国際競争力の強化又は国際的な経済活動の拠点の形成を図るために必要と認めるときは、区域計画に、構造改革特区法の特定事業、構造改革特区の規制の特例措置の内容等を記載することができ、内閣総理大臣の認定を受けることにより、構造改革特別区域法に規定する認定とみなされて、国家戦略特区において、構造改革特区の規制の特例措置を活用することが可能となっている。
 また、国家戦略特区において政府が講ずべき新たな措置に係る提案の募集に応じて行われた提案であって、経済社会の構造改革の推進及び地域の活性化に資すると認めるものについては、構造改革特別区域法第3条第4項に規定する提案とみなして、その実現に向け、同法及び構造改革特別区域基本方針に基づき、必要な対応をするものとする。
 こうした対応により構造改革特区で実施される事業については、日本経済の再生を図る観点から、国家戦略特区における取組とあいまってより効果を上げるよう、内閣総理大臣及び関係府省庁の長は、その円滑かつ確実な実施に関し、必要な助言等の措置を講じるように努めなければならない。

②全国規模及び企業単位の規制改革との連携
 国家戦略特区は、全国的な見地から国が定めた戦略地域単位で、大胆な規制改革を実行するものであり、規制改革会議で取り組む全国規模の規制改革及び産業競争力強化法(平成25年法律第98号)に基づく企業実証特例制度による企業単位の規制改革と、三層構造で密接な連携を図っていく。その際、国家戦略特区制度においては、全国に先駆けて、限られた区域で規制・制度改革を行うという趣旨に則って進めていく必要がある。

③総合特別区域制度及びその他の地域活性化施策との連携
 一定の区域について、国家戦略特区と総合特別区域が重複して指定されることがあり得るが、この場合においては、国家戦略特区と総合特別区域のそれぞれの制度趣旨に応じて措置されている規制の特例措置等について、それぞれの特区における取組に応じて必要なものを適用することとし、相互の取組があいまってより大きな効果が得られるよう、積極的な連携を図ることとする。
 また、国家戦略特区による成長の成果を全国の隅々に行き渡らせる観点から、その他の地域活性化施策との連携を図ることとする。
 なお、従来の総合特別区域、構造改革特区等の特区制度等についても、今後とも継続して着実に進めていくこととする。



第三 国家戦略特別区域を指定する政令の立案に関する基準その他基本的な事項
1.国家戦略特別区域の指定基準
①国家戦略特区の指定の基本的考え方

 国家戦略特区は、規制の特例措置等の適用を受けて産業の国際競争力の強化に資する事業又は国際的な経済活動の拠点の形成に資する事業を実施することにより、我が国の経済社会の活力の向上及び持続的発展に相当程度寄与することが見込まれる区域を、法第2条第1項に基づき政令で指定するものである。
 国家戦略特区の指定は、国家戦略特区における取組をリーディングプロジェクトとして、日本経済全体の再生を図ろうとする観点から行われるものであり、必ずしも大都市に限定されるものではなく、地方も含め全国的な視点に立って行われるものである。

②国家戦略特区の指定範囲の考え方
 国家戦略特区の区域については、大胆な規制・制度改革により民間の力を引き出すという制度趣旨を踏まえつつ、日本経済に大きな効果をもたらすプロジェクトを実施するために合理的な範囲において指定することとする。基本的には、以下の二類型によるものとする。
 ア)都道府県又は一体となって広域的な都市圏を形成する区域を指定する「比較的広域的な指定
 イ)一定の分野において、地域以外の視点も含めた明確な条件を設定した上で、国家戦略として革新的な事業を連携して強力に推進する市町村を絞り込んで特定し、地理的な連担性にとらわれずに区域を指定する「革新的事業連携型指定

③国家戦略特区の指定の基準
 国家戦略特区の指定に当たっては、恣意的な指定とならないよう、その検討過程の透明性を確保するととともに、可能な限り定量的な指標も活用しつつ、客観的な評価に基づいて検討を行うこととする。その際、国家戦略特区を指定する政令の立案に当たっては、以下の事項を基準とするものとする。
【指定基準】
 ア)区域内における経済的社会的効果
  当該区域において実施されるプロジェクトにより当該区域内において大きな経済的社会的効果が生じること。
 イ)国家戦略特区を超えた波及効果
  当該区域においてプロジェクトを実施することにより、産業の国際競争力の強化又は国際的な経済活動の拠点の形成を通じて、全国的な社会的経済的効果も含め、広く波及効果を及ぼすものであること。
 ウ)プロジェクトの先進性・革新性等
  当該区域において実施されるプロジェクトが、先進性・革新性を有するもの(従来なかった取組を新しく行う場合を含む。)であり、日本の経済社会の風景を変えるような取組と認められること(国内外に発信する価値のある日本の魅力や日本で培われた制度等を活かした取組を含む。)。
 エ)地方公共団体の意欲・実行力
  区域内の地方公共団体が、産業の国際競争力の強化又は国際的な経済活動の拠点の形成のために、地域独自の取組を進め、又は進めようとしているなど課題に取り組む意欲が高く、規制・制度改革をスピード感をもって、継続的に遂行する実行力があると認められること。
 オ)プロジェクトの実現可能性
  区域内の地方公共団体並びに特定事業等を実施すると見込まれる者において、プロジェクトを推進する体制が構築されており、関係者間の必要な合意形成が進んでいるなど国家戦略特区におけるプロジェクトの実現可能性が高いこと。
 カ)インフラや環境の整備状況
  産業の国際競争力の強化又は国際的な経済活動の拠点の形成を図る上で、それに必要な産業、都市機能等の相当程度の集積があるなど、目的の実現に必要なインフラや環境が整っていること。
特に、②の類型に応じて、以下の事項を考慮することとする。
 a)「比較的広域的な指定」の場合には、当該区域において実施されるプロジェクトが、分野横断的な広がりを持っている等の包括性・総合性を有すること。
 b)「革新的事業連携型指定」の場合には、当該区域において実施されるプロジェクトが、高い価値を有し、当該区域でしか実現できないほどの革新性を有すること。
 なお、④に定めるところにより当面先行的に行う区域指定に当たっては、「国家戦略特区における規制改革事項等の検討方針」(平成25年10月18日日本経済再生本部決定)に示された規制の特例措置をできるだけ全て活用できるよう努めるものとする。

④国家戦略特区の指定数の考え方
 国家戦略特区の指定数については、「日本再興戦略」において定められた「特区の数は国家戦略として必要な範囲に限定する」という趣旨に従い、厳選することとする。国家戦略特区制度の円滑な導入を図るため、国家戦略特区は段階的に指定することとし、当面、先行的に指定する数については、特に絞り込んで指定を行うこととする。

2.国家戦略特別区域の指定手続に関する基本的な事項
 国家戦略特区の指定に当たっては、法第2条第5項に基づき、内閣総理大臣は、あらかじめ諮問会議の意見を聴かなければならないとされている。諮問会議は、1③に定める国家戦略特区の指定基準に従い、区域指定に係る調査審議を実施し、国家戦略特区として指定すべき区域案について意見具申することとする。この際、第二の3②による区域方針の調査審議も一体として行うこととし、内閣総理大臣に併せて意見具申することとする。
 国家戦略特区の指定は、当該区域内に存する地方公共団体の事務に大きな影響を及ぼすことから、内閣総理大臣は、法第2条第5項の規定に基づき、関係地方公共団体の意見を聴取することとされており、諮問会議からの意見具申のあった区域案をもとに、これを行うこととする。
 政府は、これらを踏まえ、国家戦略特区を政令で定める。
 内閣総理大臣が諮問会議の意見を聴くのに先立ち、WGを活用して、段階的に検討を進めることとする。具体的には、WGにおいて、平成25年8月12日から9月11日に実施した「『国家戦略特区』に関する提案募集」により、地方公共団体、民間事業者等から提出のあった提案(以下「平成25年の提案募集による提案」という。)等を参考に、1③に定める国家戦略特区の指定基準に従い、広域的な都道府県単位での絞り込みを行い、実施の見込まれる具体的なプロジェクトを総合的に検討する中で、区域の案を具体化していくこととする。


第四 第8条第1項に規定する区域計画の同条第7項の認定に関する基本的事項
1.区域計画の作成に関する基本的な事項
①区域計画作成に当たっての基本的考え方

区域会議は、法第8条に基づき、基本方針及び区域方針に即して、区域計画を作成し、内閣総理大臣の認定を申請するものとされている。
区域計画は、国家戦略特区において、
ア)法第2条第3項の規制の特例措置
イ)構造改革特区の規制の特例措置
ウ)法第28条に基づく利子補給金(以下「国家戦略特区支援利子補給金」という。)の支給
エ)課税の特例措置
を実際に適用するために必要な事項を示すものである。
 区域計画は、特区において実施する具体的な特定事業等を定める、いわば実施計画であり、区域会議の構成員である国家戦略特別区域担当大臣、関係地方公共団体の長及び民間事業者の三者により、相互に密接な連携の下に協議した上で、これら三者の全員の合意により作成しなければならないものである。
 区域計画の作成に当たり、地域の実情や住民の声は、関係地方公共団体の長の参画を通じて適切に反映するよう努めるものとする。また、国家戦略特別区域担当大臣は、自ら計画を推進する立場に立って積極的に関与することで、意思決定の迅速化に努めるものとする。また、実施しようとする特定事業に係る手続について、できる限り合理化及び迅速化に努めるものとする。なお、区域計画は、必要に応じ、法第9条の規定に基づき変更を行うものとする。

②区域計画の記載事項
法第8条第2項に基づき、区域計画には、以下の事項を定めるものとする。
 ア)国家戦略特区の名称
 イ)区域方針に定める目標を達成するために国家戦略特区において実施し又はその実施を促進しようとする特定事業の内容及び実施主体
 ウ)特定事業ごとの規制の特例措置の内容
 エ)その他特定事業に関する事項
 オ)区域計画の実施が国家戦略特区に及ぼす経済的社会的効果
 カ)その他必要な事項
  国家戦略特区において区域方針に定める目標を達成するために必要な事業であって、特定事業以外のものについては、必要に応じ、カ)に記載することとする。法第10条第1項に基づき、区域計画には、以下の事項を定めることができる。
 ア)国家戦略特区において実施し又はその実施を促進しようとする構造改革特区法の特定事業の内容、実施主体及び開始の日
 イ)構造改革特区法の特定事業ごとの構造改革特区の規制の特例措置の内容
 ウ)構造改革特区法の特定事業を実施し又はその実施を促進しようとする区域の範囲

③特定事業の実施主体に関する申出制度の趣旨及び手続
 法第8条に基づき、区域会議において区域計画を作成する際、特定事業の実施主体として特定の者を定めようとするときは、あらかじめ、これについて公表することとしている。この公表があった場合に、当該特定事業を実施しようとする者(当該公表がされた者を除く。)は、区域会議に対して、実施主体として加えるよう申し出ることができることとし、区域会議は、この申出に係る特定事業が国家戦略特区における産業の国際競争力の強化又は国際的な経済活動の拠点の形成に資すると認めるときは、この申出に応じるものとしている。
 これは、区域計画を作成する際に、先に特定事業の実施主体として区域計画に位置付けられた者の既得権益とすることなく、国家戦略特区の目的に合致する事業を行おうとする事業者に対し、広く公平な参加の機会を設け、区域計画の目標達成を図ろうとするものである。
 特定事業の実施主体に関する公表については、インターネットの利用等により広く周知を図ることとする。また、申出については、特定事業の実施主体として実施しようとする内容や実施主体として加わることによる効果等を記載した申出書及び必要な添付書類を、区域会議の定める日までに、区域会議に提出するものとする。

2.区域計画の認定に関する基本的な事項
①内閣総理大臣による認定の意義及び効果

 区域計画については、基本方針及び区域方針との適合性等を担保する必要があることから、内閣総理大臣の認定を受けることが必要である。
 内閣総理大臣は、法第8条第7項各号に掲げる基準に適合すると認めるときは、その認定をするものとする。当該認定を受けることにより、区域計画に定められた特定事業について規制の特例措置や国家戦略特区支援利子補給金等の適用を受けることが可能となる。
②認定基準
 法第8条第7項各号に定める基準について、具体的な判断基準は、以下のとおりとする。
 ア)基本方針及び当該国家戦略特区に係る区域方針に適合するものであること。
  区域計画に定められた内容が、当該国家戦略特区に係る区域方針に合致していること、個別の規制の特例措置等の実施に係る要件、手続等が満たされていることなどをもって判断する。
 イ)区域計画の実施が当該国家戦略特区における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成に相当程度寄与するものであると認められること。
  産業の国際競争力の強化又は国際的な経済活動の拠点の形成に資する目標が設定されており、目標を達成するために必要な事業が特定事業、構造改革特区法の特定事業等として定められていることをもって判断する。
 ウ)円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること。
  特定事業、構造改革特区法の特定事業等について、区域計画が認定された場合に、事業が具体化されていること、事業の実施スケジュールが明確であることなどをもって判断する。

③迅速な処理
 国家戦略特区制度においては、スピード感が重要であり、区域会議において作成された区域計画の実行が、内閣総理大臣の認定手続により遅れることがあってはならない。このため、内閣総理大臣の区域計画の認定手続は、できる限り迅速に行う。
 また、関係府省庁の長は、内閣総理大臣が区域計画の認定を迅速に行うことができるよう、速やかに、法第8条第9項に基づく同意についての判断を行い、通知するものとする。

④法第8条第9項の趣旨
 法第8条第9項に基づく区域計画に対する関係府省庁の長の同意は、専門的な立場から、区域計画に定められた特定事業の内容が当該特定事業について定めた法令の規定に合致しているか否かの判断を求めるものである。
 内閣総理大臣が区域計画を認定すべきであると判断した場合は、法第8条第9項に基づき、区域計画に記載された特定事業又は構造改革特区法の特定事業に関する事項について関係府省庁の長に対して文書にて同意を求めるものとする。
 その際、関係府省庁の長は、区域計画に定められた特定事業の内容が、同意のための要件等に関して第五の内容に合致するよう作成された法令に適合していれば、同意するものとする。
 また、構造改革特区の規制の特例措置については、関係府省庁の長は、区域計画に定められた構造改革特区の規制の特例措置の内容が構造改革特別区域基本方針別表1に定める「同意の要件」及びこれについて規定した同表の内容に合致するように定められる法令に適合していれば、同意するものとする。

⑤関係府省庁の長が不同意の判断をする場合の取扱い
 関係府省庁の長が不同意と回答する場合には、どの部分が法令の規定に適合しないのかについて、具体的な理由を付して説明するものとする。
 内閣総理大臣は、区域計画の認定を行うに際し必要と認めるときは、法第8条第8項に基づき、諮問会議に対し意見を求めることができることとされており、関係府省庁の長が区域計画に対する同意に支障がある旨提起した場合には、当該区域計画の認定について諮問会議の意見を聴くこととし、諮問会議においては、当該府省庁の長の意見聴取を行い、調査審議することとする。

⑥規制の特例措置が全国展開、廃止等される場合の手続等
 規制の特例措置又は構造改革特区の規制の特例措置が全国展開されるか、廃止される場合、規制の特例措置又は構造改革特区の規制の特例措置の対象となる規制が存在しなくなる場合など、国家戦略特区に適用される規制の特例措置又は構造改革特区の規制の特例措置がなくなる場合には、次の対応によるものとする。
 ア)規制の特例措置又は構造改革特区の規制の特例措置がなくなることが予定される場合には、関係府省庁は内閣府に時間的余裕を持ってその旨を通知し、内閣府はそれを受けて、速やかに、その旨を、当該規制の特例措置が定められている認定区域計画に係る区域会議に通知するとともに、ホームページ上において公表するものとする。
 イ)規制の特例措置又は構造改革特区の規制の特例措置がなくなることに伴い、区域計画の変更が必要となる場合、区域会議は、速やかに区域計画の変更の手続をとるものとする。


第五 国家戦略特別区域における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成の推進に関し政府が講ずべき措置についての計画
1.規制の特例措置
①「国家戦略特区における規制改革事項等の検討方針」の着実な実行
 国家戦略特区において活用することができる規制の特例措置は、「国家戦略特区における規制改革事項等の検討方針」に示されているとおりである。これは、平成25年の提案募集による提案を踏まえ、大胆な規制・制度改革について検討し、関係府省庁と調整を進め、決定したものである。これを受けた法令による必要な措置については、「産業競争力の強化に関する実行計画」(平成26年1月24日閣議決定)にも基づき、次のとおり着実に実行する。
 ア)法律事項(法第13条~第25条)として法において規定された規制の特例措置については、法の公布日(平成25年12月13日)から4月を超えない範囲において政令で定める日(以下「施行日」という。)までに、内閣府及び当該規制の特例措置の所管府省庁が、必要な政省令等を整備する。
 イ)政省令(告示を含む。)又は訓令・通達により措置が必要な規制の特例措置については、施行日までに、当該規制の特例措置の所管府省庁が、内閣府と調整しつつ、必要な規定を整備する。
 ウ)法第37条第2項に規定する雇用指針については、施行日までに、諮問会議の意見を聴いて作成する。
 エ)法附則第2条の規定により必要な措置を講ずるものとするとされた事項については、当該事項を所管する府省庁は、それぞれ同条に定められたところに従い、必要な措置を講ずるものとし、その検討状況について、適宜、内閣府の求めに応じ報告する。

②規制の特例措置の追加に関する基本的考え方
(新たな規制の特例措置の追加)

 「国家戦略特区における規制改革事項等の検討方針」に盛り込まれた規制・制度改革事項は、あくまでも当面実施すべき項目が盛り込まれたに過ぎず、以下に定めるところによって、追加の規制の特例措置の検討をスピード感をもって進め、確実に実現につなげていくものとする。当該検討に際しては、国家戦略特区における規制の特例措置として検討すべきもののほか、法第38条第1項の規定に準じて構造改革特区制度の提案として検討すべきもの、また、全国規模の規制・制度改革として規制改革会議等との連携により検討すべきもの等の分類も併せて実施することで、規制・制度改革の実現に向けた選択肢を広げ、実現の可能性を高めていく。
 ア)平成25年の提案募集による提案について、洗い出し等による検討を進め、必要な規制・制度改革の実現に向け、積極的に取り組んでいくこととする。
 イ)国家戦略特区を指定し、区域会議において国家戦略特区における取組が具体化していく過程においては、地方公共団体、民間事業者等から新たな規制・制度改革の課題が提起されることが想定される。このため、区域会議において、随時、追加的な規制・制度改革について民間事業者等から意見聴取を行い、必要な規制・制度改革を確実に実現していくものとする。
 ウ)第六に定めるところによる提案の募集を活用して広く追加的な規制・制度改革の提案を求め、それらの実現に向け、積極的に取り組んでいくこととする。

(新たな規制の特例措置の実現手続)
 新たな規制の特例措置の実現に向けた規制所管府省庁との調整は、諮問会議の実施する調査審議の中で、当該規制所管府省庁の長の出席を求めた上で実施する。その調整に当たり、規制所管府省庁がこれらの規制・制度改革が困難と判断する場合には、当該規制所管府省庁において正当な理由の説明を適切に行うこととする
 これらの調査審議等の結果、講ずることとされた規制の特例措置については、この章(第五)に適宜反映していくものとし、速やかに措置することとする。
 内閣府は、この章に基づき、規制の特例措置を定める法令の案を作成するに当たっては、この章に定める内容に合致するように作成するとともに、当該規制所管府省庁と所要の調整を行うものとする。法律改正が必要な規制の特例措置については、国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案等として、できる限り早期に国会へ提出するものとし、政令又は主務省令に係る規制の特例措置については、それぞれ施行令の一部改正又は内閣府令・主務省令の制定若しくは一部改正として、できる限り早い時期に公布し、施行するものとする。
 国家戦略特区において講ずることとなった規制の特例措置の内容、関係府省庁の長の同意の要件、規制の特例措置に伴い必要となる手続等については、以上の手続を通じて、法令において明確に定められることとなるが、別途、一覧性を確保するため、内閣府において参考資料として適宜整理した上で、ホームページで公表する。
 なお、当該規制所管府省庁は、この章に即して定められる法令で規定する条件以上のものを、通知等により付加しないものとする。

③拡充、是正又は廃止する規制の特例措置
 規制の特例措置を拡充、是正又は廃止するとしたものについては、この章を改定し、これに即した必要な法令の改正等を行うものとする。

④構造改革特区の規制の特例措置
 法第10条に基づき、国家戦略特区において活用することができる構造改革特区の規制の特例措置は、構造改革特別区域基本方針の別表1に示されているとおりである。
 また、構造改革特区の規制の特例措置の前提となる制度自体が廃止又は抜本的に変更される場合には、内閣府は、必要に応じて、規制所管府省庁とともに、当該構造改革特区の規制の特例措置が定められている認定区域計画に係る区域会議に通知し、所要の対応を行うものとする。

2.金融上の支援措置
①国家戦略特区支援利子補給金の趣旨及び概要

 我が国の経済成長のためには、新たな成長分野を切り開く先駆的な研究開発や革新的な事業が必要である。国家戦略特区支援利子補給金制度は、このような事業を行うものの資金調達が容易ではないベンチャー企業又は中小事業者を支援することで、イノベーションの連鎖を促し、産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成を図ることを目的としたものである。
 法第28条第1項により、政府は、認定区域計画に定められている法第2条第2項第2号に規定する事業を行うベンチャー企業等が、当該事業を内閣総理大臣が指定する金融機関(以下「指定金融機関」という。)からの資金の借入れを受けて実施する場合に、当該指定金融機関と国家戦略特区支援利子補給金を支給する契約を結ぶことができることとし、予算の範囲内で、国家戦略特区支援利子補給金を支給することとする。
 国家戦略特区支援利子補給金の支給率は、貸付残高に対して、内閣総理大臣の定める利率とし、支給期間は認定区域計画に記載された事業に対して、指定金融機関が資金の貸付を最初に行った日から起算して5年間とする。
 なお、国家戦略特区支援利子補給金の対象事業は、地方公共団体の関与等により、真に必要な事業に絞り込むこととし、その事業内容については、毎年、国家戦略特区支援利子補給金の活用及び法第2条第2項第2号に規定する事業の実施の状況について検討を加え、その結果に基づき、法施行後3年以内に必要な措置を講ずる。

②区域計画への記載事項
 国家戦略特区支援利子補給金を活用しようとする場合には、区域計画に、活用しようとする特定事業ごとに、第四の1②イ)に掲げる事項として次のア)に掲げる事項を、第四の1②エ)に掲げる事項として次のイ)及びウ)に掲げる事項を定めることが必要である。
 ア)国家戦略特区支援利子補給金の支給の対象としようとする特定事業の内容及び実施主体
 イ)法第2条第2項第2号の内閣府令に規定する該当事業種別
 ウ)当該特定事業について、区域計画に定めた目標を達成するための位置付け及び必要性

③区域計画の認定条件
国家戦略特区支援利子補給金に係る区域計画の認定に当たっては、当該特定事業が法第2条第2項第2号の内閣府令に規定する事業に該当することを確認するとともに、第四の2②に定めるところにより、判断するものとする。

3.税制上の支援措置
①国家戦略特区における課税の特例措置の趣旨及び概要

 国家戦略特区において、産業の国際競争力を強化するとともに、国際的な経済活動の拠点の形成を図るため、以下の課税の特例措置を講じる。

 ア)特別償却・投資税額控除
 (a)認定区域計画に定められた実施法人が、平成26年4月1日から平成28年3月31日までの期間内に、国家戦略特別区域法施行規則(平成26年内閣府令第20号。以下「施行規則」という。)第1条第1号又は第2号に規定する事業(注1)を行うために設備等を取得等して当該事業の用に供した場合には、租税特別措置法(昭和32年法律第26号)第42条の10又は第68条の14及び地方税法(昭和25年法律第226号)に基づき、特別償却又は税額控除(法人住民税及び事業税については特別償却)を認める特例措置を適用できる。
 (注1)法第2条第2項第1号に掲げる事業(規制の特例措置の適用を受けるもの)又は同項第2号に掲げる事業(法第28条第1項に規定する指定金融機関から当該事業を行うのに必要な資金の貸付けを受けて行われるもの)に限る。
 (b)(a)の事業が施行規則第1条第2号に掲げる事業(注2)(以下「特定中核事業」という。)に該当する場合には、当該特定中核事業の用に供される一定の機械及び装置並びに開発研究用器具及び備品については、その普通償却限度額との合計でその取得価額までの特別償却(いわゆる「即時償却」)ができる。
 (注2)先端的技術を活用した医療等医療分野又は一定の農業分野の研究開発が対象。

 イ)研究開発税制の特例
  ア)(b)の即時償却の適用を受ける特定中核事業の用に供された開発研究用資産の減価償却費は、租税特別措置法第42条の10第6項又は第68条の14第6項に基づき、研究開発税制の特例を適用できる。

 ウ)固定資産税の課税標準の特例
  特定中核事業のうち医療分野における研究開発事業で基礎的なものその他の収益性の低いものを行うために開発研究用資産(ア)(b)の即時償却の適用を受けるもののうち、先端的技術を活用した医療等医療分野に限る。)を取得等してその事業の用に供した場合には、地方税法附則第15条第41項に基づき、固定資産税の課税標準の特例を適用できる。

 エ)土地等の長期譲渡所得に対する課税の特例
  施行規則第12条に規定する事業に係る一定の公益的施設の整備事業の用に供するため、土地等を譲渡した場合には、租税特別措置法及び地方税法に基づき課税の特例を適用できる。

 オ)特定事業を行う一定の株式会社が発行した株式を取得した場合の課税の特例
  施行規則第13条に規定する事業を行う一定の株式会社により発行される株式を払込みにより個人が取得した場合には、租税特別措置法に基づき課税の特例を適用できる。

 カ)国家戦略民間都市再生事業に対する課税の特例
  法第25条第1項に規定する国家戦略民間都市再生事業を定めた区域計画について内閣総理大臣の認定を受けたことにより、当該事業の実施主体に対して都市再生特別措置法(平成14年法律第22号)第21条第1項の民間都市再生事業計画の認定があったものとみなされた場合には、租税特別措置法及び地方税法に基づき課税の特例を適用できる。

②事業実施計画への記載事項
 上記①の課税の特例措置(①カ)を除く。)を活用しようとする場合には、区域計画の課税の特例措置に必要な基礎資料として、活用しようとする課税の特例措置ごとに、施行規則第3条第1項から第3項までの各項に定める事業実施計画を作成するとともに、当該事業実施計画において、活用しようとする課税の特例措置、設備等の取得等に関する計画等が記載されていることが必要である。

③区域計画への記載事項
 課税の特例措置を活用しようとする場合には、区域計画に、活用しようとする課税の特例措置ごとに、第四の1②イ)に掲げる事項として次のイ)及びオ)に掲げる事項を、第四の1②エ)に掲げる事項として次のア)、ウ)及びエ)に掲げる事項を定めることが必要である。ただし、活用しようとする課税の特例措置が上記①ア)(a)、(b)、イ)又はウ)の場合であり、かつ、対象となる設備等が一致する場合には、該当する課税の特例措置を列記すれば、活用しようとする課税の特例措置ごとにこれらの記載事項を区域計画に定める必要はない。
 ア)活用しようとする課税の特例措置
 イ)課税の特例措置の対象としようとする事業の内容
  a)当該事業の概要
  b)当該事業が行われる区域
  c)当該事業の実施期間
  d)当該事業により取得等される設備等の概要(①オ)の場合を除く。)
 ウ)課税の特例措置(①カ)を除く。)の対象としようとする事業が該当する施行規則第1条の条項
 エ)課税の特例措置の対象としようとする事業について、法第6条第2項第1号の目標を達成するための位置付け及び必要性
 オ)課税の特例措置の対象としようとする事業の実施主体

④区域計画の認定条件
 国家戦略特区における課税の特例措置に係る区域計画は、産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成を図るという国家戦略特区の目的に沿って、これを戦略的観点から推進するものであって、以下のア)及びイ)の条件並びに第四の2②イ)に掲げる認定基準の判断に当たっては以下のウ)の条件を満たすものとする。
 ア)(a)①ア)(a)、(b)、イ)又はウ)の課税の特例措置の場合には、当該課税の特例措置の対象としようとする事業が、施行規則第1条第1号又は第2号に規定する事業に該当し、当該事業の用に供する設備等が、区域計画に係る当該国家戦略特区内に新設等されるものであること。
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   (b)①エ)の課税の特例措置の場合には、当該課税の特例措置の対象としようとする事業が、施行規則第12条の要件を、①のオ)の課税の特例措置の場合には、当該課税の特例措置の対象としようとする事業が、施行規則第13条の要件を全て満たすものであり、当該事業を行う株式会社が、施行規則第14条の要件を全て満たすものであること。
 イ)事業実施計画が、当該事業を行うことについての適切かつ確実な計画であることを、国家戦略特区担当大臣が確認していること。
 ウ)当該事業が、その事業内容、行われる場所、当該国家戦略特区で行われる他の事業との関係等を考慮して、当該国家戦略特区における目標達成のために相当程度寄与することが認められること。



第六 国家戦略特別区域における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成の推進に関し政府が講ずべき新たな措置に係る提案の募集に関する基本的な事項
①提案募集の趣旨及び概要
 国家戦略特区制度においては、現場の声をより重視して規制・制度改革を進めるため、あらゆる分野の国の規制・制度について、広く提案を集める機会を設けることが重要である。また、国家戦略特区における取組が具体化していく中で民間事業者や地方公共団体からの新たな問題提起を通じて、更なる規制・制度改革の課題が浮かび上がってくると想定される。
 経済社会情勢の変化に対応して、求められる必要な規制・制度改革も変化していくものであることから、これらの状況を踏まえつつ、新たなニーズに応えられるよう、政府が講ずべき措置に係る提案の募集を必要に応じて行うものとする。

②提案主体
 提案は、広く現場から衆知を集めるという観点から、事業の実施主体となる民間事業者又は地方公共団体等から幅広く募集する。
 提案の主体は、単独による提案だけでなく、複数の主体による共同での提案や、海外からの提案も可能とする。

③提案募集の時期
 提案募集の時期については、経済社会情勢の変化や、国家戦略特区における取組が具体化していく中で生じる更なる規制・制度改革の課題の状況を見極めて、適切な時期に実施する。
 提案の機会についてタイミングを逸しない程度に確保するため、少なくとも年に2回は提案募集を実施する。

④提案募集の周知
 内閣府のホームページへの掲載の他、内閣府地域活性化推進室の発行するメールマガジンの配信や内閣府地域活性化推進室が参加する会議における情報提供など、様々な機会を捉えて周知を行う。
 また、余裕を持った募集期間を設定することで、提案募集の周知に触れる機会を十分に確保するとともに、提案のための検討期間も確保できるよう配慮する。

⑤提案を受けた政府の対応
 受け付けた提案については、諮問会議における調査審議を通じて、実現に向けた検討を進める。
 なお、国家戦略特区における規制の特例措置としては実現しなかった提案については、法第38条の規定を活用した構造改革特区制度との連携や、全国規模での規制・制度改革に係る規制改革会議との連携等を通じて、実現の可能性を検討するものとする。
 関係府省庁は、これらを通じて実現することとなった規制の特例措置について、内閣府と連携し、第五の1②のとおり必要な措置を講ずるものとする。


第七 その他国家戦略特別区域における産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成の推進に関し必要な事項
(透明性の確保)
 第一の2の運用の原則のとおり、国家戦略特区制度の運用に当たっては、徹底的に透明性を確保するものとし、各プロセスにおいて、第三者の目を通じた客観的な評価を可能とするため、ホームページ等を活用し、関係資料をできるだけ公開することとする。

(国家戦略特区制度の周知)
 国家戦略特区制度については、制度を活用する側の視点に立って、本制度の特徴や、その他の規制・制度改革に関する制度との相違等を含め、分かりやすい周知に努めることとする。






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尾張おっぺけぺー

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森友・加計問題に関する安倍答弁を文字起こし。
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